ニッケイ新聞 2010年8月28日付け
法定アマゾン内有数の環境保護地でありながら不法伐採面積でも群を抜くパラー州ジャマンシン国立公園内で、ボイ・ピラッタ作戦実行にも拘らず、不法飼育の牛を多数発見と27日付エスタード紙が報じた。6カ月前に作戦終了となった筈の公園での放牧は、環境保護団体が行った上空からの視察により判明した。
ボイ・ピラッタ作戦は放牧地確保のために行われる不法伐採撲滅を目指して導入されたもの。環境保護地内で放牧されている牛は保護地外に移動させるよう指示し、その後も残っている牛は政府が没収、放牧者には罰金が科せられる。
同公園内での作戦には約200万レアルが投じられたが、今回発見された牛は、伐採後に火をかけた後がまざまざと残る土地に並行した公園中央に近い草地に集中しており、総数10万頭に及ぶ可能性さえある。同作戦で移動させた牛は僅か350頭だったといい、作戦後の伐採減少が確認されたとはいえ、放牧牛は取締りの目をかすめて移動していただけとの批判も出かねない状況だ。