ニッケイ新聞 2010年8月31日付け
テレビでの政見放送開始以来、労働者党(PT)の次期大統領候補ジルマ・ロウセフ氏に対する国民の評価に変化が生じ、大統領となるためにより備えられているのはジウマ氏と考える人が、セーラ氏のそれを上回ったと29日付フォーリャ紙が報じた。並行する様に28日付エスタード紙は、Ibope調査でのジルマ氏とセーラ氏の支持率は51%と27%で、両者の差は24ポイントに拡大と報じている。
29日付フォーリャ紙の報道は23、24日実施のダッタフォーリャ調査の結果報告で、大統領としてより備えられているのはジルマ氏と考える人は42%で、民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏の38%を上回った。5月の調査では29%対45%だった事を考えると、3カ月間で国民評価が大きく変化したといえる。
ジウマ氏への評価がより好転したのは、南東部(14ポイント)や北東部(18ポイント)で、年齢別では16~24歳の17ポイント向上が目につく。
経験の豊かさへの評価がセーラ氏の51%に対しジウマ氏31%。カルドーゾ政権で保健相を務め、サンパウロ市長やサンパウロ州知事も歴任し、経験の差を謳ってきたセーラ氏が5月の64%から13ポイント下げたのに対し、ジウマ氏は17%から14ポイント向上している。
また、政策別適任者を訊いたところ、失業対策でジルマ46%、セーラ28%、緑の党(PV)マリーナ・シウヴァ5%。治安対策は38%対30%対4%。教育対策は41%対31%対8%、安定した経済成長は49%対28%対4%で、セーラ氏が優位だったのは保健政策の47%(ジウマ33%、マリーナ4%)のみだった。
ジウマ氏は高圧的と考える人が37%(セーラ30%、マリーナ5%)いる一方、親しみ易いも37%(同26%、14%)。頭脳明晰はジウマ34%、セーラ36%、マリーナ8%で、ここでもセーラ氏は十八番を奪われそうだ。
金持ちを守るのは誰かとの問いに対する回答のセーラ41%、ジウマ17%、マリーナ1%に対し、貧乏人を守るのはとの問いには、ジウマ45%、セーラ20%、マリーナ13%の回答。
これらの数字をIbope調査と比較して見るのも興味深く、ジウマ氏とセーラ氏の支持率を家庭収入1最低賃金以下で見ると、58%対22%、1~2最賃では53%対26%。5最賃以上では39%対38%で拮抗状態になる。
有権者の3人に2人はルーラ人気を受けてジウマ氏支持を表明しており、54%は現政権並みの経済成長と購買力伸長を望んでいる。ここでも52%の有権者はジウマ氏の方が貧困者への関心が高いと考えている。
同調査でのジウマ氏支持の理由で、統治能力を挙げた人は8%、彼女の経験ゆえが5%、女性だからが4%だった。