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ピラポーラに異質な泡=異常乾燥で被害が拡大
ニッケイ新聞 2010年9月1日付け
サンパウロ州ピラポーラ・ド・ボン・ジェズース市を流れるチエテー川で工業排水や家庭排水の流入により発生している白い泡が、8月にサンパウロ州で観測された異常乾燥によりさらに広がっているようだ。8月28、31日付伯字紙が報じた。
川の汚染はモジ・ダス・クルーゼス市で始まり、サンパウロ市で工業排水と一般家庭からでる汚水が大量に流入している。ピラポーラ市付近では亜鉛含有量が規制量の2倍の濃度で計測されているほか、水に含まれる洗剤や柔軟材によって発生する白い泡は、風に飛ばされて街にも被害をもたらしている。
こういった現象は27年前から続いているものだが、8月に続いた湿度10%程度という異常乾燥で、泡が増加し、悪臭が漂うなどその状態はさらに悪化しているという。同市中心から800メートル地点にあるダムには泡を除去するための給水設備が設置されているものの、一部を取り除くに過ぎず、住民らの不満は絶えないようだ。
懸念されていた異常乾燥は、サンパウロ市では一旦回復をみせているものの、プレシデンテ・プルデンテでは引き続き8%という低い数値を計測するなど、サンパウロ州奥地では今だ深刻な状態が続いている。