ニッケイ新聞 2010年9月1日付け
パラー州の大金鉱セーラ・ペラーダでの6年間の生活を描いた『ガリンペイロ(採金夫)体験記―アマゾンのゴールドラッシュに飛び込んだ日本移民』(杉本有朋、近代文藝社、税別1700円)がこのほど発売された。
著者の杉本氏は、1929年福岡県生まれ。ブラジルに移住し、ロンドリーナで洗濯屋、喫茶店、鮮魚店を営み、50歳の時、セーラ・ペラーダに飛び込んだ。
現地での生活、金の採取方法、売買の駆け引き、一攫千金を夢見る男たちの騙し騙され泣き笑いの奮闘振りが温かい目線でつぶさに描かれる。
別項「セーラ・ペラーダ七七話」としてアマゾンの自然や動植物、インディオ、風土病、色街についても詳細に書かれている。
〃最低の生活〃といわれるガリンペイロの日々の実体験が日本語で書かれたものは少なく、ブラジルの一側面を知る好著といえよう。
現在プライア・グランデ在住の杉本氏は、「色んな仕事をしたが、あの6年間が一番面白く、強烈な体験だった。今でも鮮明に全てが頭に入っていますよ」と話している。
サンパウロ市リベルダーデ区にある太陽堂(11・3207・6367)で購入可能。70レアル。