ニッケイ新聞 2010年9月2日付け
福岡県人会の式典に訪れ、流ちょうに日本語を使う日系カナダ人と話が弾み、町を案内する事に。変らぬオリエンタルな東洋人街で、見慣れぬ風景が目に飛び込んだ。
ウェデングドレスにタキシード。満面の笑みにお姫様抱っこで、カメラに視線を送る二人。遠巻きに見ていると、撮影隊の日系人に「日本人ですか」と尋ねられた。
カメラマンの彼はデカゼギ帰りで、片言の日本語を話す。思ってもみなかったが、少し話をすると「一緒に撮ろう」と同伴を許された。
外見ではそうは見えず、日本語も解さないが父が日系人という新婦。聞くと、祖先の起源を感じる場で幸せな記憶を残したかったと言う。
この日アミーゴになった人たち。それがブラジルだからなのか、日本という繋がり故なのかは分らないが、不思議な巡り合わせに自身の「血」を意識した。(秀)