ニッケイ新聞 2010年9月9日付け
手を振り、足を踏み、リズムを刻み、歓喜の声を上げる。歓声が飛び交い、熱気は最高潮に―。グループ・サンセイ(城間ミチ代表)主催によるロンドリーナ祭りが4日から7日まで、パラナ州同市のネイ・ブラガ公園で開催され、計約3万人(主催者発表)の来場者で賑った。同祭目玉のマツリダンスは毎夜行われ、日本の若者向けの音楽に乗せ、舞台前に押し寄せた若者らが踊り、玉の汗を流した。
メイン広場以外は屋台で埋め尽くされ、日本食は飛ぶように売れ、漫画で描く似顔絵コーナーにはカップルが列をなした。
流しそうめんのデモンストレーションでは冷水の中を流れる様を一目見ようと来場者が人垣をなし、気温の上った日中、無料で配られたそうめんを「うまいうまい」とほおばっていた。
「日本文化の広く一般への紹介」と共に、昨年から同祭のテーマに定められた「環境問題」にちなんだブースも設けられた。
生ゴミを肥料に変える手法、電気を使わないポンプなどが公立大学の研究機関によって紹介され、注目を集めた。
その他、公立の小、中学校、高校まで、9校が各自の行う環境問題への取り組みをパネル等で紹介し、来場者による投票によって順位を決め表彰された。
4日で40以上の演目が繰り広げられた舞台ではアサイー、アラポンガス、イビポランなど周辺都市から婦人部が集まり250人ほどが輪を作って盆踊りを披露。そこに来場者も加わり、踊りの輪は膨れ上がった。
盆踊りの後には4日続けてのマツリダンス。公演時間が迫ると、ぞろぞろとメイン広場に人が集まり始め、舞台前一面に黒山の人だかりができた。
軽快な音楽、明るく前向きな歌詞がグループ・サンセイの歌手によって歌われ、日系人、非日系問わず若者を中心に、手足を振り、回り、飛び、汗を散らしながら一斉に同じ振り付けのダンスが繰り広げられた。十数曲を披露し見事にフィナーレを飾った。
盆踊りが原型となっており、「若者への盆踊りの普及」が目的に始められたマツリダンス。曲ごとに異なったダンスだが、盆踊りの振り付けが2つ以上入っていることが条件。同グループの若者らが選曲、振り付けを行う。
舞台上、踊る若者たちを眺めるのは畠田保さん(79、2世)。毎年ダンスを楽しみにしているという。孫が歌手の一人で、当日も舞台に立っていた。「ちいさな時から歌が好きな子だった」と話し、勉強で忙しい中、時間を縫って歌を続ける孫娘、笑顔で踊る若者を見て「孫の歌う歌で皆が楽しそうに踊っているのが嬉しい」と笑みをこぼした。
すべての演目を終え、城間代表は「年々遠くの町、州からも人が集まってくれています。大きな問題も無く無事終えることができました」と満足げ。マツリダンスの考案者でもあり「これからも若い世代、ブラジル社会一般に日本文化を広めていきたい」と意欲を見せた。