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下院候補に不正疑惑=麻薬取引でPCCに関与か=明らかにされる意外な素顔

ニッケイ新聞 2010年9月17日付け

 白いシャツ、爽やかな笑顔、フィッシャ・リンパのマークでキリスト教社会党(PSC)から出馬の連邦下院議員候補ネイ・サントス氏(29)が、犯罪組織PCC(首都第一コマンド)の麻薬密売取引に関与していたことが発覚。さらに、逮捕歴があったことが明らかにされたほか、ガソリンスタンドの不正な経営、PCCの家族への賄賂など数々の疑惑が持ち上がっている。16日付伯字紙が取り上げた。
 クラウジネリ・アウヴェス・ドス・サントス氏(実名)は、2003年9月に現金輸送会社のスーツケースを持ち逃げし現行犯逮捕され、05年8月に釈放されている。その当時の呼び名は「太ったネイ」で、出所後に胃の縮小手術を行い、外見を一変させたようだ。
 PCCの麻薬密売取引に関与したとされるサントス氏は、出所後、手にした資金をガソリンスタンドの立ち上げや、200万レアルのマンション購入で洗浄。また、同氏はそれからたった4年間のうちに1億レアル以上の資産を創出しているが、その巨額な資産は申告された収入や財産を合わせても釣り合わず、この点に関しても捜査の手が加えられていた。
 ガソリンスタンドの経営を任されていた同氏の従姉妹ミシェリ・デ・ソウザ・リマ氏(28)と甥のリカルド・ルシアーノ・アンドラーデ・ドス・サントス氏(24)に対して事情聴取が行われ、水が添加され薄められた燃料を販売していたほか、偽った会計報告を提出していたことなどが明らかとなった。月間550リットルの燃料を販売していたとされる。
 さらにサントス氏は、選挙戦に向け、逮捕されたPCC関係者の家族票を集めようと、家族らにセスタバジカを賄賂として贈っていたほか、週末に刑務所を訪れるための交通費を支出していたと報告される。
 6月にサンパウロ大都市圏のタボン・ダ・セーラ市警により捜査が開始されており、同氏所有のガソリンスタンド15カ所、事務所、住居2件、フェラーリなどの高級車数台の資産が今週凍結されたほか、15日に出された13件の捜査礼状による家宅捜査で、パソコンや書類などが押収された。15日午前中、弁護士を連れて警察署へ現れた同氏は、無罪を主張している。