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車メーカーにアジア勢=サンパウロ州に新工場のラッシュ=中国チェリーはジャカレイ市

ニッケイ新聞 2010年9月22日付け

 中国最大の自動車メーカー、チェリーが17日、上海万博の中で、1億3400万米ドルを投入してサンパウロ州ジャカレイ市に新工場を建設することを発表した。同州ではすでにトヨタがソロカバ、韓国のヒュンダイがピラシカーバで工場建設を進めているなど、アジアの自動車メーカーが続々と工場の開設に乗出している。18日付エスタード紙が報じた。
 チェリーは、現在11カ国15カ所に工場を所有しており、17モデルを製造、2万2千人の従業員を抱える。現在の生産能力は年間で自動車65万台、エンジン65万機、変速機40万個。ブラジルには40の販売代理店を置き、昨年は2600台を輸入販売。ブラジルで販売を行う中国メーカー5社の今年上半期の販売総数は5820台で、中国メーカーのマーケットシェアは前年同期の0・1%から0・33%に増加した。
 ジャカレイ工場の場合、当面はフレックス小型車S18型の製造を予定。2013年末までに年間5万台の生産ラインの構築を目指し、最終目標の年間15万台規模に達するまでの投資額は4億米ドルにのぼるとされる。1千人の直接雇用の創出が見込まれる。
 ジャカレイ市のほかにも、同州のタウバテやサンジョゼ・ドス・カンポス、ソロカバ、州外ではペルナンブーコ、リオ、ミナス州の都市が候補に挙がっていたが、ハミルトン・リベイロ・モタ・ジャカレイ市長によれば、自動車の一大消費地サンパウロ大都市圏に近いことが決め手となったという。
 100万平方メートルの工場建設地はジャカレイ市により無償供与された土地で、ヅットラ街道にほど近い。ICMS(商品流通サービス税)の免除や不動産税(IPTU)減税などの優遇、電気や水道といった基本インフラ設備を保証されるほか、Senaiなどを通して専門技術を身に付けた労働力の提供が図られる。
 一方、トヨタが先週、ソロカバのカステロ・ブランコ街道沿いに建設工事を開始した工場は、2012年下半期の稼動予定。6億米ドルが投資され、新モデルのコンパクトカーの生産を見込む。
 世界経済危機で2009年に一旦中止されていたヒュンダイの工場建設計画も昨年末に再開されており、6億米ドルを投入し、ピラシカーバで年間15万台生産規模の工場の設置を進めている。