ニッケイ新聞 2010年9月28日付け
10月3日の統一選投票日を一週間後に控えた26日に開かれた、レコルデ局主催の大統領選公開討論会の様子を27日付伯字紙が報じた。
労働者党(PT)のジルマ・ロウセフ氏と民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏が激しく火花を散らすかに思われていた討論会の目玉となったのは、何としてでも決選投票実現を図りたい緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏。
支持率調査で2位を走るセーラ氏を主たる標的とした同氏の弁は、決戦投票には自分がとの意気込みをそのままぶつける切れ味鋭いもの。もちろん、1位を走るジウマ氏に対しても、同氏の右腕とされていたエレニセ・ゲーラ元官房長官絡みのスキャンダルを題材に切り込んだ。
一方、ルーラ政権で共に閣僚を務めたマリーナ氏の切り込みに苛立ちを隠せなかったのはジウマ氏。(メンサロン事件などのスキャンダルを経たPTが)エレニセ氏絡みのスキャンダル防止策を取れなかったのかとの質問には、「貴方が環境相を務めた時と同様の防止策はとっていた」と応えた後、今回表出した国税庁絡みの事件やエレニセ氏を巡るスキャンダルの全貌解明は選挙戦後となる見込みだが、自分が当選した暁には最後まで真相解明を計ると答弁。
マリーナ氏の実力を知るジウマ氏だけに、最後の1週間に何かが起きて決選投票となった時、一番怖れるべきなのは追い上げてきているマリーナ氏との思いは強い様だ。
マリーナ氏の伸張を恐れる思いはセーラ氏も同様だが、教育問題について申し開きを試みた時も「16年間何の変化も無かった」と切り返された上、ジウマ氏との直接対決的場面も僅か2度。
自由社会党(PSOL)のプリニオ・デ・アルーダ・サンパイオ氏が、相変わらず全方位的攻撃手を務めて笑いを誘う場面もあったが、第一次投票日を前に持たれる公開討論会は、30日のグローボ局主催のものが最後となる。