ニッケイ新聞 2010年9月29日付け
日本の大手タイヤメーカー、ブリヂストンが、2014年までに、大サンパウロ市圏サントアンドレとバイア州カマサリの工場に2億5千万ドル(4億2800万レアル)の大型投資を行うと28日付フォーリャ紙が報じた。
ラ米統括事務所を米国からサンパウロ州に移すなど、同社の国際戦略上、重要な地位を占めるブラジルの経済発展とトラックなどの需要の伸びを見越し、2工場の生産能力を30%増強するためのものだ。
機材購入や先進技術導入なども含む大型投資は現在日産4万個のタイヤ生産量を30%伸ばす事が目標だが、同社では国内市場拡大も念頭に置いており、09年の年商9億ドル中75%を占めた国内販売を、85%に拡張したいとしている。
09年の世界全体の年商は、08年比18%減の280億ドルに終ったブリヂストン社にとり、年商の43%を占める米州(南米と米国)は日本と欧州に次ぐ重要拠点。世界全体のシェア16%の同社は、ブラジルでもピレリやグッドイヤーに次ぐ年商を上げており、今年の年商目標は40%増の12億5千万ドルだ。
ブラジル工場の製品は、トラックやバスなどの大型車両や農業機械、先進技術搭載型の自動車用で、投資の一部はブラジルの道路事情にも対応できる耐久度の高いタイヤや燃費改善に役立つようなタイヤの開発、そのための調査にも当てられる。
新タイヤ開発のために欠かせないゴム生産にはナノテクも利用する同社では、環境に優しい素材開発、パンクしても80キロ走り続けられるタイヤなど、具体的な目標を掲げて製品開発中だ。現在500店舗を有する販売網も、118ある大型車両専門の販売・サービスセンターを14年までに3倍になど、積極的な拡張計画を立てている。