ニッケイ新聞 2010年9月30日付け
09年8月の発行以来、一部受賞者の真贋を巡って大いにコロニアを賑わせた記念誌『山本喜誉司賞の歩み』。先日発表された記述の間違いは何と130余。一連の批判に疲れたか、同賞選考委員会の高橋一水委員長、杓田美代子副委員長が今月、文協に辞表を提出したが、辞職は認められなかった?とか。「杓田さんは知りませんが、高橋さんは委員長を続けられていますよ」と文協関係者。現在、本年度の受賞者の選考中だというが、何ともバタバタのお粗末。
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JALの最終便。出発予定時刻の午後10時50分を過ぎ、飛び立つのを待っている時、知人から「いつの時点が『出発時間』か知ってる?」との質問。離陸時もしくは滑走路に入った時点、と思ったのだが、両方とも不正解。正しくは「タラップが外され、飛行機が動き始めた時」。つまりこの最終便の出発時間は、45分遅れの午後11時35分となるが、それから機体がブラジルの地を離れるまで10分以上、雨のなかで手を振る関係者の姿があった。
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渡伯50年の節目に初の同船者会開催を呼びかけている60年12月のぶらじる丸。移民船ごとに興味深いエピソードがあるものだが、この船の場合は、米ロサンゼルスに入港した際、同地の日系二世のクリスチャンから多くの寄付を受け、船内で配られたことがあったそうだ。当の二世が今も健在で、50年の集いのことを知ったらどんな風に思うだろうか。まだ企画の段階だが、盛会を期待したい。