ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
糖尿病治療薬の販売中止=アバンディアで梗塞の危険
ニッケイ新聞 2010年10月1日付け
国家衛生国家庁(ANVISA)は、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の2型糖尿病(インスリン分泌異常型)治療薬「アバンディア」の国内の販売中止を決めた。9月30日付エスタード紙が報じた。
同薬の使用に伴う副作用として、心筋梗塞や脳梗塞といった血管系の問題を引き起こす危険性が指摘されているためで、ブラジルでは同薬を使用してない糖尿病患者に比べ、同薬使用者の血管障害発症率は29%高い。50カ国を対象に行われた調査でも、その差は28%となっている。
ブラジル内では1999年から出回っている同薬については、4年前より各国で多くの問題が報告されていた。23日に欧州医薬品庁(EMA)が回収を命じたほか、アメリカ食品医薬品局(FDA)も販売制限を設けており、ブラジルの対応は国際機関の処置と足並みをそろえたものとなる。
現在同薬を使用している患者は使用を中断する前に医者へ行き、治療法を相談すること。国内市場からの完全撤去についての決定は、製薬会社からの資料分析や実態調査完了後となる。