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チリリッカが文書偽造?=最多票当選者に高まる疑惑

ニッケイ新聞 2010年10月6日付け

 サンパウロ州選挙裁判所が4日に、下院議員に全国最多得票で当選したパリャッソ(ピエロ)のチリリッカ(本名:フランシスコ・オリヴェイラ・シウヴァ)告発文書を受理と5日付伯字紙が報じた。
 本人は読み書きできない文盲者で出馬資格がないとの訴えは以前にも出されていたが、1度は拒否した告発を選挙裁が受理したのは、本人の身分証明書と選挙裁に提出された書類の筆跡が異なるとのサンパウロ州犯罪研究所の鑑定書が原因だ。
 読み書き能力は立候補資格の一つだが、先の訴えを受けて提出した「読み書きが出来る」との宣誓書の筆跡は別人のものとの鑑定書は、本人の当選と共に、同氏の得票で議席獲得のブラジル共和党(PRB)とブラジル共産党(PCdoB)、労働者党(PT)候補各1人の当選も無効とする可能性がある。本人には10日以内の申し開きが認められている。
 その逆は、サンパウロ市長時代の汚職でフィッシャ・リンパ法に問われている進歩党(PP)のパウロ・マルフ下議で、選挙高裁の判断までは無効票扱いの49万7千票が有効となれば、本人はサンパウロ州で3位当選となる他、PPと緑の党(PV)の候補各1人が当選となる。
 リオ州で70万近い票を獲得し、共和党(PR)候補7人を当選させたアントニー・ガロチーニョ氏の場合も、裁判所の暫定処置で出馬したものの、F・リンパ法が気になる1人だ。
 また、ロライマ州から再選の民主運動党(PMDB)ロメオ・ジュカ上議は、票の売買のためと見られる同州連警押収の180万レアル中、110万レアルが関係しているとの疑惑が持たれ、捜査対象となっている。
 票の売買、文書偽造その他の選挙法違反で逮捕された者は投票日だけで数十人と報道されており、今後の捜査や司法判断で泣き笑いする候補も相当数いるようだ。