ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | デカセギがモデルで活躍=メスチッサが人気の理由に=工場勤務から大きく転身へ

デカセギがモデルで活躍=メスチッサが人気の理由に=工場勤務から大きく転身へ

ニッケイ新聞 2010年10月7日付け

 日本のCMやファッション雑誌の表紙でお馴染みのトップモデルRINAさん(30)は、日系人の父とイタリア系ブラジル人の母を持つ日系人。日本のファッション界では近年、メスチッサ(混血)の日系人が注目を集めており、デカセギ目的で日本へ渡った後モデル業へと転身する人もいる。若い世代には、こういった職業を目指す人の数も増えてきているようだ。3日付エスタード紙が取り上げた。
 RINAさんの本名は藤田カリーナ。ミナス州出身で家族と共に訪日、岐阜県の工場でオペレーターとして働いた後、19歳の時モデルとしてデビュー。RINAさんは女性ファッション誌JJやMISS、CLASSYなどのモデルを務め、月額約8万5千レアルの報酬に「ブラジルに帰国した両親への仕送りにも十分」と、微笑む。
 今では自身のブランドも手がけるRINAさんは日本人女性の憧れで、今年は自身の生活術を綴った著書「モデルRINAの RECIPE OF 美・食・住LIFE」も出版。「プロとして働くためには日本語の習得も重要」と、後輩の日系モデルたちにアドバイスを送っている。
 RINAさんの活躍は、日本で日系ブラジル人モデルが注目される先駆けにもなり、現在、業界では約30人の女性モデルが活動している。サンパウロ州スザノ出身のシマダ・スージィさん(30)もその1人。最初は愛知県の自動車部品工場で作業員として働いていたというシマダさんは、2002年に東京に上京しており、「とても幸運だった」と振り返る。米ブランドの専属モデルを務める彼女のポスターは、都内銀座の目抜き通りに飾られている。
 日本に在住して7年のパラナ州マリンガ出身のマツモト・プリシラさん(19)は、愛知県で開催されるミス日系コンテストで優勝し、モデルの道へ。「アジアはメスチッサのモデルにとって大きな市場」と確信するマツモトさんは、現在企画されている台湾映画への出演を目指し、中国語の勉強にも力を入れたいそうだ。
 モデル事務所を開くカワシマ・レジーナさん(38)によれば、新人モデルでも月額1万レアルほどの収入を得られるとか。こういったモデル事務所は、ブラジル各地で開催されるミス日系コンテストも新たな人材を見出す機会にしている。
 一方、日系の男性モデルに関しては、憧れる人は多いものの、実際の競争は女性モデル以上に激しく、夢の実現は想像以上に困難なようだ。