ニッケイ新聞 2010年10月7日付け
一次一回のコチア青年が乗った移民船あめりか丸。同船で移住した北原民江さんは当時12歳。船の中では勉強の時間があり、青年たちも子供たちを教えていたという。「いい先生でしたよ」と北原さん。一方で「うちは女ばかりだったから。父親が神経を使ったらしいですよ」とも。百人からの独身青年がいたことで、家族移民の親たちには心労もあったよう。
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「海ばかりで退屈だったから、ロスに着いたときは嬉しかった」と振り返るのはコチア青年一次一回の黒木慧さん。リオから乗り込んだコチア組合の山中弘移民課長が「とまどいはあると思うが、組合で支持する。心配するな」と話したことを思い出す。着伯後の時間をすごしたモイーニョ・ベーリョ試験場では下元健吉専務から「君たちは農業の知識はあるかもしれないが、理論と実践は違う。頭でっかちにならず体を使って頑張れ。ブラジルの流儀をないがしろにするな」と激励されたという。
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国際交流基金サンパウロ文化センターは9日、同センター図書館(Av. Paulista, 37, 2o. andar紙芝居『ふくろうのそめものや』を開く。入場無料。(午後2時、3時)ポルトガル語(午後2時半、3時半)の各2回。詳しくは同センター(電話=11・3141・0110、メール=info@fjsp.org. br)まで。