ニッケイ新聞 2010年10月8日付け
「難しい選挙だった。支えてくれた皆さんに心からお礼を言いたい」
今月3日に投票が行われた全国統一選挙で11万3156票を獲得、連邦下議に初当選した安部順二氏(69、DEM)が6日来社し、コロニアに感謝の気持ちを述べるとともに、任期4年の抱負について熱く語った。
安部さんは大分県出身の両親を持つ二世。日本語堪能で、農業組合長、州議、モジ市長を歴任、地方行政にも明るい。
開口一番、「鉄道の改善がブラジルの将来を握る。食料輸送のほとんどがトラック。税金も高くなり、農業発展の妨げになっている」と輸送網の見直しを挙げる。
続けて、「公立学校が一日4時間の義務しかないことが青少年犯罪に繋がっている」とし、モジ市長時代の実施で効果を上げたこと「8時間制」を挙げ、全伯の教育改革を掲げる。
政党が30以上乱立していることや政治家の汚職が横行していることを〃最大の問題〃としたうえで「政治改革(Reforma Politica)を国会で声を張り上げたい」と意気込む。
デカセギ問題にも触れ「日本にいる同胞が安心して帰ってこれる環境作りが政治家の仕事」としながらも、「年金の相互協定や労働省が日本側で進める支援は促進していきたい」と話した。
伯日議員連盟のメンバーだった飯星ワルテル氏やウィリアン・ウー氏が落選したことから、同連盟のリーダーとしても期待されている。
「経済、テクノロジー、エコロジーなど、各方面で協力し、世界に発信できる関係作りを目指したい」と話したうえで「日系団体にも耳を傾け、ブラジル、日本両政府に伝える役目も担えれば」とも。
「両親から『私たちはブラジルに助けてもらったんだから、ブラジル人よりも愛国心を持ち、国に尽くしなさい』と言われていた。今がその時」と表情を引き締め、「加えて、健康と日本の教えをもらったことに感謝している。力一杯頑張りたい。皆さん応援して欲しい」とコロニアに支援を求めた。