ニッケイ新聞 2010年10月20日付け
大統領選の決選投票でどちらを支持するのか注目されていた緑の党(PV)のマリナ・シルバ氏が、〃中立〃の立場を表明した。4年後の大 統領選をにらんで「第三の道」を選んだ、どちらにも付かずに清廉なイメージを保ったとの見方もある▼だが、伯字紙の読者欄などを読んでいると「マリナの中立はあまりに〃緑〃的すぎて赤のようだ」という意見も掲 載されており、「中立に見せかけているが間接的にジウマ候補(PT)を支持した判断だ」と多くの人が理解しており、解釈が分かれている▼というのも「あと数%」が欲しいセーラ陣営からすればマリナ支持票はノドから手が出るほど欲しいが、すでにリードしているジウマ候補からすればマリナ氏が自陣につかなくても、敵側にさえつかなければ優勢の状況が固まったことを意味する▼これ以上のスキャンダルが暴露されず、今の状勢が続けばジウマ候補が逃げ切ることになりそうだ。マリナ氏の発表を聞いても株式市場は大きな動きをみせず、すでにPT優勢を織り込んだかのようにみえる▼うがった見方をすれば、緑の党幹部は、自分たちがPSDB側に見方しても勝ち目はないと判断したと解釈できなくもない。かといって優勢なPT側につけば大きな顔はできない。その状況の中で党内の意見を強引に統一できなかったから〃中立〃にして党員の自由選択、つまり分裂せざるをえなかった▼ともあれ、ジウマ陣営が決選投票のキャンペーンで反論姿勢を強め、セーラ陣営もそれに呼応して激しい舌戦になっている様子をみて、正直言って「どっちもどっち」と辟易としている国民も多いのではないか。(深)