ニッケイ新聞 2010年10月26日付け
アマゾナス州マナウス港付近のネグロ川の水位が、同市創立341年を迎えた24日午前、1902年の計測開始以降最低の13メートル63センチを記録した。これまでの最低だった1963年の記録を1センチ下回ったと、25日付伯字紙が伝えた。
ネグロ川流域では川底まで干上がった所もあり、漁船が地上に乗り上げた如くに横腹を見せ、川底に沈んでいたゴミが露出。アマゾン川に次ぐ世界2位の水量を誇るネグロ川では、昨年7月に53年の29メートル69センチを上回る、29メートル77センチの最高水位も記録していた。
今回の現象はアマゾン流域の大旱魃の一例とされ、調査にあたった専門家によれば、水位は今後数日間にわたってさらに下がる傾向にある。今回の異常現象には、カメラを手に訪れる観光客もいるという。
同地域では少なくとも40市町村が水不足の緊急事態発令中で、陸軍の協力を得たアマゾナス州防災局は、水路での移動や物資供給が不能な地域に、ヘリコプターを使用して飲み水、食糧を配給している。特に深刻なのは、非常事態宣言まで出され、周辺地域から孤立しているテフェー市(マナウス市から直線距離で516キロ)で、6万2千家族に被害が及んでいるとされる。