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4州でメディア監視の動き=国家通信会議の提唱受け=OABなどは違憲だと主張=表現の自由は保障される?

ニッケイ新聞 2010年10月27日付け

 ルーラ大統領がメディア批判を繰り返したのに呼応するように、セアラ州など4州でメディア監視委員会設置の動きが表面化してきた事を受け、ブラジル弁護士会(OAB)などが、同種の委員会設置は違憲との考えを表明したと25、26日付伯字紙が報じた。

 州単位のメディア監視委員会設置は09年12月に開催された政府主導の国家通信会議で提唱されたもの。会議では、州知事や国会(上下院)議員と2親等までの家族にはラジオやテレビの所有を禁ずる事や、国と州の監視委員会設置など、633項目が承認された。
 国レベルの委員会設置は下院で否決され、報道関係の新法制定やジャーナリストへの専門教育義務化は最高裁が09年中に違法と判断したが、州レベルの委員会設置については、各州の判断に委ねられていた。
 同会議の提唱に法的拘束力はないが同分野の政策決定には影響を及ぼすはずとの声を反映するように、セアラ州議会が19日、労働者党(PT)議員提唱の、指導と監視、観察ならびに報告書作成を機能として持つ委員会の設置を承認。
 一方、立法主導型のセアラ州に対し、行政主導型はアラゴアス、ピアウイ、バイアの各州だ。
 アラゴアス州の場合、報道機関などの助言的役割を持つ既存の委員会に監視、決議権も持たせる意向で、同委員会では、報道内容観察機能が加われば、内容変更を要請するだけでなく、命令も可能と説明。「州民に好ましくない内容の報道が無条件で行われるのは看過すべきではない」との論に基づいて作成された変更案は、州官房局と同検察局で検討中だ。
 ピアウイ州では、報道機関が偏見に基づく行動をとっていないかを監査し、違反を認めた場合、国家電気通信庁や通信省に告発する権限を持った委員会設置案を議会に提出。州検察局は同種の監視は国の役目との考えを表明したが、州政府関係者は、報道機関民主化のためで、自由を奪う意思はないと反駁している。
 委員会設置推進派のジャッケス・ワグネル知事が再選されたバイア州は、社会通信局関連機関としての委員会設置を検討中で、ロビンソン・アウメイダ同局長官は、州政府には報道機関規制の意向はなく、設置は州官房局や司法判断も経た上で決まるとしている。
 委員会設置の動きはサンパウロ州などにもあるが、OABやブラジル・ラジオ・テレビ放送協会(Abert)は25日、州には報道機関の活動を規制する権限はなく、州の監視委員会設置は違憲とする考えを公式に表明した。
 一方、民主党(DEM)は同日、セアラ州議会が承認した委員会設置案を知事が裁可したら最高裁に告訴すると表明。リオ選出下院議員で党首のロドリーゴ・マイア氏は、PTが報道規制体制を作ろうとするのは今に始まった事ではないと警鐘を鳴らしている。