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大統領選=新鮮味かける公開討論=足を引っ張り合う候補達

ニッケイ新聞 2010年10月27日付け

 決選投票前に票固めをしたい労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏と逆転を狙う民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏によるレコルジ局主催の公開討論会が、25日夜行われた。
 26日付伯字紙によると、未明まで続いた公開討論は、エレニセ元官房長官やパウロ・ヴィエイラ・デ・ソウザことパウロ・プレットDersa元理事絡みの汚職告発やペトロブラスの民営化など、従来からの内容に終始し、施政方針などの掘り下げのないまま終了。
 「昔は将来の展望などを論じ合う場面がもっとあった」という声も出、目の前の事で喧々諤々(けんけんがくがく)の印象が残るやり取りが続き、白熱はしていても深みがないと感じた人も多いようだ。
 当日発表のVoxPopuli調査での支持率は、ジウマ氏49%対セーラ氏38%。前回調査比でジウマ氏は2%ポイント、セーラ氏も1%ポイント下げている。
 この間に起きたリオ市でのセーラ氏暴行事件に関し、ルーラ大統領は、セーラ氏には実際に大きな物体が投げられたとの鑑定士達の報告を聞いてもなお、22日に「セーラ氏の狂言」との発言を繰り返し、対立候補引落としに執心。
 セーラ氏が21日に、ルーラ大統領は民主主義の原則を無視し、対立候補を潰す気で選挙戦を展開していると批判した後だが、当のセーラ氏も、ジウマ氏の発言や公約はことごとく嘘と言わんばかりの論陣を張るなど、政策論議に深みが出ず新鮮味に欠けたままだ。
 公開討論会は29日にも行われるが、このままでは選挙民の心は遠ざかり、一次投票で4位だったプリニオ・デ・A・サンパイオ氏が呼びかけた白紙投票や棄権を選ぶ人が増えそうだ。