ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
選挙中は犯罪者が野放し=40人強姦した男のケースも
ニッケイ新聞 2010年10月29日付け
リオ市近郊で27日、40人以上もの女性を強姦して自首した男性が、3人の被害者によって犯行が確認されたにも拘らず釈放された。28日付エスタード紙が報じた。
この衝撃的な決定は、投票日の5日前、投票後48時間においては現行犯逮捕、又は保釈の余地がない有罪判決者以外は逮捕されないという選挙法236項に基づいて下された。被害者の証言で犯行が確認された容疑者であっても選挙期間中は逮捕されないという。
自身牧師であると主張するワルジネイ・フェレイラ・レスレイソン容疑者(34)は、リオ大都市圏のゴベルナドール島とイタボライ市で2002年から今年にかけて犯行に及んでいた。刃物を用いて貧困街にいる13~40歳の女性を脅しては、誘拐していたとされる。犯行を容認していた容疑者の妻にも、罪が問われている。
これだけ多くの犯行を重ねてはいるが、同容疑者の場合、自ら出頭し、捜査にも協力していることから選挙期間中の未決拘留、一時拘留の要請が困難だという。リオ州立大学の法律学教授で検事でもあるアルツール・ゲイロス氏は、「この規定は40年以上前に作られたもので、現在の社会には適さない。見直しが必要」と訴えている。