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ブラジル大統領選に法王が言及?=中絶問題で司教らに訓示=支持率はジウマ優位続く=ボルサ・Fと闘うセーラ

ニッケイ新聞 2010年10月30日付け

 大統領選と州知事選の決選投票が明日に迫ったが、ブラジル大統領選で中絶合法化問題が取り上げられた事を知るローマ法王のベント16世が28日、ブラジル司教らに中絶に関する姿勢を変えないよう指示した。一方、投票直前の支持率調査では、労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏と民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏の差は縮まらず、ルーラ政権の社会政策の恩恵などを受けたジウマ氏がこのまま乗り切りそうな気配だ。

 29日付伯字紙によると、法王の発言はローマ訪問中のブラジル司教らに対するもので、中絶を認めないとするカトリック教会の立場を確認の上、ブラジル社会や為政者が合法化に走っても、信者達には基本姿勢を崩さないよう指導する事を求めた。
 法王の発言はジウマ氏が繰り返した中絶合法化擁護発言を念頭に置いたものだが、同発言について訊かれたジウマ氏は、自分は中絶合法化に反対で、法王の言葉は尊重されるべきだが、中絶は保健行政上の問題で、議会の判断に任せると返答。先に発表した教会向け文書では、議会が承認した場合に裁可を拒否するとは明言していない。
 一方、セーラ氏は、全世界が耳を傾けるべきと称讃し、合法化反対の立場を明らかにした。
 中絶合法化はジウマ氏の一次当選を阻んだ理由の一つだが、個人的には反対との文書を発表した事で、あまり騒がれなくなったようだ。
 中絶合法化や汚職問題などを巡る論議に終始との感が強い選挙も明日で終るが、28日のダッタフォーリャ支持率調査はジウマ氏54%対セーラ氏44%で12%ポイント差、26~28日実施のIbope調査でも51%対39%の13%ポイント差と、ジウマ氏優位の状況は変化なし。
 ダッタフォーリャの数字は21、26、28日の3回とも同じだが、26日と28日とでは支持者未定の回答が8%から4%に減っており、逆転は益々難しくなった。
 その意味で、29日付エスタード紙記載のミナス州のボルサ・ファミリア(生活扶助)受給者の反応は象徴的。
 PSDBのアエシオ・ネーヴェス上議候補やアントニオ・アナスタジア知事当選の同州は、大統領選でジウマ氏が俄然優勢な州の一つ。3万人が同扶助受給のモンテス・クラーロスなどの北部で最多得票のアルレン・サンチアゴ下議は、アエシオ氏らの必死の働きにも拘らず形勢逆転が難しいのは、同地域のジウマ票の基盤が生活扶助だからと明言している。
 扶助受給者が全国の半数に及ぶ北東伯でジウマ氏が絶大な支持率を得ているのも同じ事で、今になってセーラ氏が、同扶助はカルドーゾ政権の食料扶助と学業扶助をあわせたもので自分なら更に充実させると訴えても、現政権の賜物と信じる1260万家庭、5千万人以上の扶助受給者のジウマ氏支持票を奪うのは難しいようだ。

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