ニッケイ新聞 2010年10月30日付け
リオ~サンパウロ州沖のサントス堆積盆地では、トゥピー油田とリブラ油田を巡る朗報が28、29日に相次いだと29日付伯字紙などが報じた。
トゥピー油田の方は、ペトロブラスが岩塩層下の石油の商用生産を開始したというもので、前日の誕生日の祝い酒を少し控えたというルーラ大統領も出席。トゥピー油田では09年5月1日から岩塩層下石油の試験採掘が続いていたが、本格的な商用生産は今回から。
リオ州アングラ・ドス・レイス市沖のプラットホームに降りたルーラ大統領は、石油の匂いをかぎ、政治家や幹部職員用のオレンジ色の作業服に手形をつけて喜びを表現すると共に、経営陣の増給も約束した。
同プラットホームの最大生産能力は日産10万バレルだが、当面は1万5千バレルを生産。サンパウロ州サンヴィセンテ市沖にもプラットホームが設置されており、1日1万4千バレルを生産する。
一方、国家石油・天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP)が29日に発表したのは、やはりサントス堆積盆地にあるリブラ油田の試掘結果。埋蔵量は37億~150億バレルの可能性があり、最大量だった場合、既に確認済みのどの岩塩層下油田よりも大きな油田となり、石油生産国としてのブラジルの地位を大きく向上させる事になる。ANPでは79億バレルを妥当な線と考えている。
既存の岩塩層下油田とその埋蔵量は、50~80億バレルのトゥピーを筆頭に、イアラ:30~40億バレル、グアラ:11~20億バレル(サントス堆積盆地)、バレイアス:15~25億バレル(カンポス堆積盆地)となっている。