ホーム | 日系社会ニュース | 秋の叙勲=佐々木陽明氏に旭日双光章=半世紀にわたる福祉活動称え

秋の叙勲=佐々木陽明氏に旭日双光章=半世紀にわたる福祉活動称え

ニッケイ新聞 2010年11月4日付け

 日本政府は3日付けの発令で2010年(平成22年)秋の叙勲受章者を発表し、ブラジル国内では在クリチーバ総領事館管内で佐々木陽明パラナ老人福祉和順会理事長が旭日双光章を受賞した。
 佐々木氏(74、鳥取県出身)は長年ブラジル在伯邦人及びその子弟のための福祉向上に携わり、1975年、パラナ州マリンガ市に身寄りのない困窮孤老日本人救済施設として無料老人ホーム「パラナ老人福祉和順会」(当時、収容能力16人)を創設。35年に亘って理事長として有志の協力を得て、同州全体の日系社会の福祉向上に大きく貢献した。
 浄土宗南米開教総監でもある佐々木氏は、入居者が亡くなった場合、自身法要を執り行った。
 1957年に浄土宗開教使として渡伯。ブラジル最初の知的障害児の治療・指導教育施設「こどもの園」(59年開設)の初代、4代目園長として約4年間、理事としても15年以上無償で務めた。
 和順会副理事長の植田健司さんは、今回の佐々木氏への叙勲に当たり「尊敬すべき貢献をしてきており、受章して欲しいと思っていた人だった」と述べ、「『やってあげるではなく、やらしてもらう』と福祉のあり方を説いてきた。現在は多くの協力者が集まっている」と現在までの活動を称えた。