ニッケイ新聞 2010年11月5日付け
広大な砂糖キビ畑の側に工場という風景は珍しくないブラジルで、エタノールの用途がどんどん広がっていると2日付エスタード紙が報じた。
砂糖キビの絞り汁は砂糖やエタノール生産に、絞りかすは火力発電に使われる事は良く知られているが、自動車燃料以外に増えているのは、農業用の飛行機や火力発電所の燃料としての使途。
サンパウロ市周辺だけで2千以上あるといわれる火力発電の主力はジーゼル油だが、ガソリンやジーゼルは大気汚染や地球温暖化が気がかりな化石燃料。ジーゼル油を使う火力発電所はエタノールを使う発電機なら、温室効果ガスの排出がジーゼル仕様に比べ68%減るというから、これらの発電所がエタノール発電にすれば二酸化炭素や汚染物質の排出量が削減できる。
また、エタノール発電が期待できるのは、電力供給量が不足しがちなアマゾンなどの貧困地域やショッピングセンターなどの自家発電施設。