ニッケイ新聞 2010年11月5日付け
写真がふんだんに盛り込まれた『日本の食12』(農山漁村協会発行)の沖縄編のページをめくっていると「ソテツの澱粉(スーテイチクジ)つくり」という項に目が止まった。
というのも、ファリーニャの作り方にそっくりなのである。
外皮と芯を除去したものをおろし金ですりおろし、水を加え、さらして発酵、乾燥させて粉食するという。煎る部分が抜けているが、毒性がある部分も似ている。
大正末期から昭和初期に沖縄を襲った飢饉で常食されたようだが、この毒が取りきれずに苦しむ人が続出したことから、「ソテツ地獄」と呼ばれたことは有名だ。
この時代を経験した沖縄移民で、〃懐かしく〃マンジョーカを作った人もいたのだろうか。
味はどんなものだろうー。しっかりと毒を抜いたものなら、食べてみたいものだ。(剛)