ニッケイ新聞 2010年11月12日付け
【既報関連】6、7日に実施され、印刷ミスや問題ミスが騒がれるEnemの扱いについて、8日は「試験は成功裡に終わり、無効とは考えていない」と教育省同様に全員への再試を否定していたルーラ大統領が、10日のインタビューで「必要ならば何度でも実施する」と再試の可能性を示唆するコメントを残した。11日付フォーリャ紙が報じた。
しかし、教育省では一貫して「全員再試の必要性はない」と公表しており、大統領発言に対しても「年間の実施回数を増やし、実施を強化することができると示しただけ」と回答。同省ではミスが指摘された2万1千枚の問題のうち、会場で取り替えられなかったのは2千枚程度と見ているが、実際には、苦情の申し立ては10日までに3400件起きている。
一方、10日正午までに学生連合(UNE)に届いたEnemへの苦情中812件は、監督官の対応の悪さに対するもの。試験実施を担当した教育研究院(Inep)による監督官選抜や試験時の指導での配慮不足が非難の的となったほか、試験監督マニュアルに鉛筆、消しゴム、時計の使用禁止などが記載されていなかったことも指摘された。
また、試験前の会場ですでに作文のテーマを知っていた受験生がいたことから、問題の事前漏洩疑惑が浮上し、連邦警察が捜査。禁止されていた携帯電話使用で試験中にインターネットサイトに書き込みを行った3人の受験は無効にされた。