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高まる黒人意識向上の動き=各地で記念イベントを開催=文化や活躍伝える良い機会に

ニッケイ新聞 2010年11月18日付け

 17世紀の黒人奴隷解放の英雄、幻の黒人王国リーダーだったズンビーが処刑された今月20日が「黒人意識の日」と定められてから丸7年が経つ。毎年、同日には黒人の意識向上を掲げる大行進が行われるほか、カポエイラやバツケ、音楽ショーなどアフロブラジル文化を表現する様々なイベントが各地で開催されるようになっている。
 同日を休日とするか否かは各自治体の判断に委ねられているが、人種平等促進局の集計では、マット・グロッソ、リオ、サンパウロ州内の多くの市が休日にしていることが分かっている。また、法律では、学校教育の中でアフロブラジル文化を教え伝えることも義務付けられた。
 同局は今週を黒人意識週間として、16日にリオ市議会で開会式を行い、20日までリオ市内で講演会、音楽ショーなどの記念イベントを企画。19日には、ルーラ大統領やジウマ次期大統領の出席も控えている。
 また、15日付エスタード紙が取り上げたのは、非政府団体(NGO)のアフロブラス、アフロブラジル社会開発協会と、ズンビー・ドス・パウマーレス大学が共催して行う黒人文化賞。同賞は芸術家やスポーツ選手などインターネットの一般投票によって選ばれた人を表彰するもので、同大学のジョゼ・ヴィセンテ学長は「各界で活躍し、若い黒人世代、そしてブラジル社会全体の誇りとなるような黒人たちに焦点を当てている」と主旨を説明する。
 第8回目を迎えた今年は、歌手であり作曲家であるミルトン・ナッシメントさんが受賞。授賞式は15日夜にサンパウロ市のサラ・サンパウロで盛大に行われ、ミルトンさんの代表作が著名な音楽家たちによって演奏された。
 また、ミナス・ジェライス州オウロ・プレット市で10~15日に開催された文学フォーラムでも、同記念日にちなんだテーマを取り上げた。アフリカのポルトガル語使用諸国から多くの作家らが参加し、ブラジル文学とアフリカ文学の類似点、アフロブラジル文化の表現について論議が繰り広げられたようだ。