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火消し役はやっぱりルーラ=PMDBなどの独走阻止=閣僚の座獲得などに圧力?=しのぎ削り合う連立与党

ニッケイ新聞 2010年11月19日付け

 次期政権の副大統領職を既に確保している連立与党の民主運動党(PMDB)が、他の与党と組んで議会の多数派グループを形成しようとした事を見たルーラ大統領が16日、ジウマ次期大統領や組閣担当のアントニオ・パロッシ氏と会談。翌17日にはグループ加入と見られていた2党の引抜きに成功するなど、海千山千の器である事を実証した。

 韓国ソウルでのG20サミットに出席した時以来、衆目はルーラ大統領よりもジウマ次期大統領に集まる傾向が出ていたが、17日付伯字紙が報じた、PMDBが次期政権の組閣に圧力をかけるなどの目的で多数派工作を仕掛けてきたとの情報にいち早く行動を起こしたのは、百戦錬磨のルーラ大統領だった。
 18日付フォーリャ紙には、17日の朝食をミシェル・テーメル次期副大統領と共にしたジウマ氏がPMDBなどの動きに歯止めをかけるよう要請とあるが、同日付エスタード紙によると、ルーラ大統領は多数派工作表面化の16日夜、ジウマ氏らを大統領官邸に呼んで対策を指示している。
 ルーラ大統領が与えた指示は、多数派グループに参加する党には閣僚ポストを与えるなというもの。当初の組閣作業班がPTのみであった事や閣僚候補としてPT有力者らの名が連日の様に報道される事に反発し、次期政権での勢力拡大のために圧力をかけようとしたPMDB始め、連立与党の目論みを頓挫させるには充分な指示だ。
 また、その翌日、PMDBなどと手を組む意向だった共和党(PR)と進歩党(PP)に働きかけ、引抜きに成功したのもルーラ大統領。
 この2党以外でPMDBと手を組む意向だったのはブラジル労働党(PTB)とキリスト教社会党(PSC)で、PMDBと4党の当選下議総数202は、下院総数513の過半数に55議席不足するのみ。獲得議席数87の労働者党(PT)にとり、閣僚ポストの配分は連立与党取り込みの最有効手段でもある。
 現政権に閣僚17人を送り込むPTに対し、現状5人のPMDBや現状2人の社会党(PSB)他の与党各党は新ポストも要望。与党との調整役ジョゼ・エドゥアルド・ヅットラPT党首は、16日に各党からの要望書をジウマ氏に手渡した。
 組閣に関する最終決定権はジウマ氏にあり、ギド・マンテガ財相留任など、経済関係閣僚は来週早々発表される見込みだが、腹心の人物を要所要所に配したいジウマ氏は現状ポストの維持などを否定しており、24時間足らずで連立与党からの圧力回避を果たしたルーラ大統領の助言や火消しの役割は大きい。

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