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筆に生きたインテリ移民=アンドウ・ゼンパチ展=移民史料館で26日から

ニッケイ新聞 2010年11月20日付け

 社会、教育、文化など広い分野でコロニアの言論界をリードしたアンドウ・ゼンパチ(本名=安藤潔、1910~83)の生誕110年を記念し、ブラジル日本移民史料館は、『アンドウ・ゼンパチ展』を26日から(来年1月28日まで)開く。

 アンドウは広島県出身。24年東京外国語学校(現在の東京外語大)のポルトガル語科本科第1期生。「大毎移民団」の移民助監督として来伯、「伯剌西爾時報」記者、「日伯新聞」編集長を務めた。
 コロニア随一の言論人として、あらゆる媒体で様々な問題について鋭い指摘と分析を行なう。土曜会(後のサンパウロ人文科学研究所)のメンバー。
 「ブラジル史」(40年)、「コチア産業組合30年の歩み」(59年)など著書多数。
 展示会では、日本やブラジルのアンドウの家族が所有する写真約30点を年表にあわせた形で展示、「ブラジル史」の肉筆原稿、書簡なども公開される。
 サンパウロ人文科学研究所の古杉征己理事の執筆による『アンドウ・ゼンパチ 恩師の言葉~日本移民に役立つ人間になれ』(80頁、500部)も無料配布される。
 栗原猛・運営委員長と山下リジア副委員長が案内のため16日、来社した。
 栗原委員長は、「文筆活動を貫いた移民がいたことを知って欲しい」と話す。
 アンドウの3女吉安セシーさんを人づてに知り、本展のきっかけを作った山下さんは、「移民社会の教養レベルを高めようと努力した人。彼が筆一本で何をしようとしたのかを理解してもらう機会になれば」と来場を呼びかけている。
 オープニングは25日午後7時半から、同史料館9階で行なわれる。
 詳しくは史料館(11・3209・5465)まで。