ニッケイ新聞 2010年11月25日付け
【パラー州ベレン発】サンタイザベル・サントアントニオ日伯文化協会(石森次郎会長)は創立50周年を記念して、20日午後5時半から同会館で記念式典を開催した。婦人部や青年会の活躍で、会員はじめ招待客など250人が参加して盛大な式典となった。50周年を記念して同協会に尽くした功労者、大橋敏男名誉会長他8個人と婦人会他3団体を表彰した。また、在ベレン日本国総領事館(名井良三総領事)は、同協会が記念事業として実施する「児童給食改善計画」に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力の署名式をとり行うとともに、日本語教育及び文化普及に貢献した大槻富貴子・日本語学校校長(福島県、65)を表彰した。
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サンタイザベル・サントアントニオ文協は1960年11月15日、42人の会員で発足。会館敷地20ヘクタールの購入、野球場、会館の建設、日本語学校の開設、婦人部の創設、ゲートボール場の増設等を進め、会員の親睦を目指して文化・教育・スポーツなどの活動を行ってきた。
記念式典には、名井良三在ベレン総領事、楠彰首席領事、小島康蔵領事、加藤マリオ・サンタイザベル市長、生田勇治汎アマゾニア日伯協会会長、各地区日系団体長らが出席した。
名井総領事、大橋名誉会長、加藤市長、生田会長、石森同文協会長らが登壇し、日伯両国歌の斉唱、先没者慰霊の黙祷を行った。
石森会長と大橋名誉会長の挨拶、生田会長、名井総領事、加藤市長らの祝辞の後、功労者(9個人、4団体)に対する記念表彰。在ベレン総領事館と同協会との草の根無償資金協力(4万9240米ドル)の署名式を行った。
草の根資金が供与された「児童給食改善計画」は、同協会が教育活動の一環として近隣の児童に対して行う補習授業の拡充のため、調理施設を整備して給食事業を行うもの。同会では過去数年間にわたり近隣住民に対する教育・福祉活動を行っており、教育省やユネスコからの評価も高い。
また、同会が実施する文化・スポーツ事業の際にも同調理施設で作る日本食などが販売され、収益が同会による教育・福祉事業に活用される。
在ベレン総領事館は同協会50周年を記念して、1993年から18年間に亘り北伯日本語普及センター理事及びサンタイザベル日本語学校校長として活躍してきたほか、同協会が設立したエスコーラ・ニッケイにおいても長期間日本語を教えてきた大槻富貴子さんに対して日本語教育及び日本文化普及に貢献したとして表彰した。
記念式典終了後、カクテルパーテイに移り日本語学校生徒、同協会民謡クラブの日本舞踊、歌謡ショーなどが参加者の盛大な声援を受けていた。(下小薗昭仁パラー州通信員)