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喜寿の祝いに短歌集=上妻博彦さんの弟が編集

ニッケイ新聞 2010年11月26日付け

 「放蕩兄貴を大事にしてくれるんですよ」―。
 短歌結社「椰子樹」選者代表で、本紙歌壇の選者の上妻博彦さん(77)は、日本在住の実弟茂香さん(69)が編集した歌集『うづ潮』(水鶏会発行)を手に顔をほころばせた。
 1997年から08年までに作りためた1174首を掲載。妻泰子さん(77)の作品259首も併せて刊行したことから、共著となっている。
 二人の金婚式の年となる06年に訪日した際、同じく短歌愛好者である茂香さんが所属する水鶏会(鮫島秀敏代表)と知り合ったことから、話が始まった。
 約2年にわたり、郵便で編集・校正作業を繰り返し、上妻さんが喜寿を迎える今月24日までの刊行を目指し実現した。
 実は「うづ潮」は、98年の出版に続き、2集目。移住船の航跡を見てつけた名前だ。
 100部を刷り、30部をブラジルの短歌仲間に配るという上妻さん。
 「もう歳だから、この本が最後かな。日本の人にも読んでもらえたら、嬉しいですね」と喜寿の日に来社、本の刊行と茂香さんの思い遣りに喜びを新たにしていた。