ニッケイ新聞 2010年12月2日付け
明治神宮秋の大祭奉祝献詠歌の入選者発表が、このほどあり、ブラジルからは広田ゆきさんが入選し、11人が佳作に選ばれた。
【入選】
百年の移民の歴史重ねきて混血となる孫よひ孫よ
広田ゆき
【佳作】
大空を覆ふがごとく咲くイペーまなこ閉づれば眼裏に顕つ
井本司都子
窓に背を向けて独りの日向ぼこ葉ずれ幽けく鳴るを聴きつつ
尾崎都貴子
星くづを翼に浴びてゆれている祖国に向かう夜間飛行は
小濃芳子
ブラジルで祭る七夕五十年秘めきし願ひそつと書きたり
金谷はるみ
戦争を大きな市場と教へしは復員兵の代用教員
武井貢
赤道に回帰線も有るブラジルに明るく生きる被爆せし身を
武田知子
夕焼けに染む幾百の牛の群れ動かぬままに牧は暮れゆく
筒井惇
ハマナスの花に似し花庭に植えアマソンに老いて楽しみにけり
徳永悦子
相撲よりフットボールが好きになりブラジル人と意気投合す
藤田朝寿
望郷のふる里の山この胸にいつしか老いぬアマゾンの地に
上山泰子
クーラーの涼しさよりもやはらかなうちはの風の涼しさが好き
村本季美