ニッケイ新聞 2010年12月8日付け
PIPA協力者の井上健治さんは「運営費を捻出するために日本祭などで売店を出しているが、ブラジル人生徒の両親が自分から協力するようになり、日本人独特のやり方が理解されてきている」と実感している。援護協会が、コムニダーデによるコムニダーデのための活動から、日本人の特徴を活かして一般社会に貢献する日系活動に徐々に領域を広げていることを実感させるイベントとなったようだ。
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鳥取県の中堅リーダー交流で来伯した西川孝一さんは、30年以上地元の和太鼓グループで演奏するベテラン。その経験を生かし、滞伯中は県系の荒木進さんが会長を務めるオザスコ文協で太鼓を指導した。「あんなにレベルが高いとは思わなかった」と驚きながらも、一方で、当国ではテクニックが先行しがちで、なぜやるのかといった基本的な考え方をどう伝えるかが課題とも。日系子弟を中心に着々と広まる太鼓。日本と同じように伝えていくのは無理としても、パフォーマンスだけの全く違うものになってしまうのもどうか。世代が移るにつれ、日本との接点はどのように保たれていくだろう。