ニッケイ新聞 2010年12月9日付け
図書館、史料館、映画館、劇場、レストラン、茶室に木製の友情の橋、東洋のスパ、プラネタリウム、天文観測所、宇宙博物館にホテルリゾート…。どこにあるかって? 国士舘スポーツセンター改め『エコロジーセンター』に出来るのです!▼就任以来、あまり存在感を示すことがなかった木多喜八郎会長自身が陣頭指揮を取る渾身のプロジェクト(本日7面詳細)。平均8万レアルの赤字を生み続ける同センターをロッテ割り。企業や団体に25年間無料賃貸し、管理費を徴収することで文協自体の負担を抑えるのが狙い▼冒頭に並べた施設は、参加団体が自費で建設するもので、文協からの提案だ。環境保護を謳う某日系企業が関心を示しており、木多会長自身も「勝算あり」と鼻息を荒くしているようだ。某関係者にこの点を確認すると、「かなり前に話しただけでそれから詰めてないしねえ…何ともいえないね」と少々気になる雰囲気なのだが▼他に関心を寄せる団体、企業があるのかどうか、11日の評議員会の場で発表されるのだろうか。当初2千万円もの予算を計上した「美空ひばりフィルムコンサート」が見切り発車したはいいが、結局資金を集められなかったことは記憶に新しい▼センターの活用法は、長年の懸念事項だ。07年には自主運営を申し出た地元団体との間で大いに議論があったが、そろそろ方向性をはっきりさせる時期だろう。木多会長は会長続投の意思を固めているとか。この理事会承認プロジェクトに対する評議員会の評価が、来年の会長選挙に影響を与えることは間違いなさそうだ。(剛)