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ニッケイ新聞 2010年12月11日付け

 警察によるリオのファベーラ制圧のニュースは世界中を駆け巡ったらしく、「リオは危険」との印象を強く与え、観光客が激減しているとか。リオのある日本人観光客のガイド関係者は「今月のお客さんゼロですよ、ゼロ」と肩を落とす。普段ならリオ国際空港に20人ぐらい群がっている中国人ガイドも「あれからまったく姿を消した」とか。国内在住者にとってはあれでリオの治安は良くなると分かっているが、右も左も分からない外国人客には「装甲車が出て銃撃戦」というだけで近寄らない方がいい、となる。来年のリオのカーニバル予約が入る微妙な時期だけに、観光業者筋はヒヤヒヤしながら見ているよう。
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 ブラジル日本会議の主要事業の一つが、日本で昔から語り継がれてきた話を一冊にした「嵐の中の灯台」を通じた日本の道徳、倫理の普及。昨年10月には念願のポ語版(一冊40レアル)を出版。今年7月には州教育局で贈呈式を行うなど、地道ながら着実に続いている。小森広理事長、小山昭朗理事によれば、まだ残部があるそうで、「人として守るべき道徳が書かれている。子ども達のためになるもの」とクリスマス贈答用の購入を呼びかけている。
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 岩手県人会の会報がPDF版でパソコンでも読めるようになり、本紙へも送られてきた。12月発行号の中に、「領事館に死亡届を」という囲み記事。最近、同県出身者で亡くなった人の親戚や役所から県人会に問い合わせがあるそうだ。届けが出ていないと役所では生きていることになり、財産整理や土地関係などの処理ができない。現住所が分からないので、県人会の方へ問い合わせが行くのだろう。今年話題になった100歳、200歳の超高齢者のようなことにもなりうる。岩手県人一世で亡くなった人がいたら一報を、と呼びかけている。これも県人会だからできる手伝いの一つか。