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13日から新しい紙幣流通=50レと100レの2種
ニッケイ新聞 2010年12月14日付け
中銀が偽造防止用の新工夫を施して発行する新紙幣中、50レアルと100レアルの2種が13日から流通を開始した。
サイト上では10日から報じていた情報だが、今回発行の新紙幣は、偽造防止の新工夫と共に、視覚障害者にも区別し易いよう、額面毎に大きさが変えてある。
例えば、100レアルの新札の長さは、現在の100レアル札より8ミリ長い15・6センチ。50レアル札は現行より1ミリ長い14・9センチ。幅はいずれも現行より広い7センチとなる。
一方、来年発行予定の10、20レアルの新札の長さは、13・5センチと14・2センチ。12年発行予定の2、5レアルの新札は12・1センチと12・8センチ。これら4種の幅は6・5センチのままだ。
新札では表面右手の額面表記の字体が変り、表面左手には裏面に描かれた動物が住む環境を表す絵柄や帯が入るほか、裏面の絵もより詳細になるなどの目に見える変化が加えられる。
中銀が新紙幣発行を決めたのは紙幣の偽造が増えているため。16億枚が流通している50レアルは偽造量も多く、押収された偽造紙幣の56・4%に当たる28万枚が50レアル札だった。
流通量が33%増えて38万8千枚となった100レアル札の偽造はまだ少ないが、2種合わせた偽造量は全体の68%から75%に増加。事態を重く見た政府は、3億レアルをかけて新しい機械を購入し、新札発行にこぎつけたが、現在1千枚当たり180・48レアルの発行費用は、50レアル札が238・27レアルに、100レアル札は247・51レアルに跳ね上がるという。