ニッケイ新聞 2010年12月17日付け
サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)は16日午前に12月定例役員会を開催し、文協ビル内の旧本部の売却希望額を49万7300レアルとして購入希望先との交渉に入ることを承認した。同不動産はブラジル日本都道府県人会連合会(県連)が関心を示している物件。今日17日の県連代表者会議で議題に上る見込みで、会議での議論が注目される。
注目を集めた旧本部の不動産評価額の報告では、財産管理委員会の坂和三郎委員長が、1平方メートルあたり2500レ、旧本部2部屋(198・92平方メートル)で計49万7300レを希望額とすることを述べ、役員らの承認を得た。
購入相手としてほぼ確実となっている県連を、坂和委員長は「適切な相手でお互いの助けになる。日系コロニアにとって意義あること」としており、早ければ年内にでも売買を確実なものにしたい意向を見せた。
援協役員でもある与儀昭雄県連会長は報告を受け、17日の県連代表者会議で各県人会会長らに意見を聞く考えを示した。来年1月中旬には正式な契約を結びたい意向だという。
役員会ではこのほか、11年度の予算案、事業企画の承認、定款改正、各業務の報告などが行われた。
来年度の会費については、インフレに伴い80レアルに引き上げることを承認。
協力券は現在集計された分で発行数の50%が販売され、25万レが集まったことが報告されたが、80%以上の販売を目指すと担当者が述べた。
サントス厚生ホームの斉藤伸一ホーム長が今月末で辞任し、その後任として援協の本部職員で事務局長補佐の前園武弘氏(二世、49)が1月に就任する。
前園新ホーム長は、「明るいホーム作りを行う」とあいさつ、現在60パーセントほどの入居率を90%台まで引き上げるよう努力していくと抱負を語った。