ニッケイ新聞 2010年12月17日付け
先日発表されたエスタード紙の「プレミオ・パラダル2010」(味覚賞)の東洋料理部門第1位に、バロン・デ・イグアッペ街の居酒屋一茶の「たこ焼き」が選ばれたことに驚いた。審査員が20日間に47皿を9部門に分けて賞味した結果だ。日本では庶民食のたこ焼きが、25レアルと少々〃しょっぱい〃値段になっているがコラム子も確かに美味いと思った。ただし個人的には同店のお好み焼きの方が気に入っている▼日本食の代表といえば文句なしに「寿司、刺身、天ぷら」であり、食に保守的なブラジル人はかたくなにその砦を崩さなかった。隔世の感を覚える▼同部門2位は原口雅信シェフの腕が冴える「雅」の「鍋焼きうどん」。駐在員の御用達ともいえるメニューがブラジル人グルメにも理解されるようになった。「一茶」は妻マルガリーダさんの経営だから原口夫妻で上位独占だ▼その他、有名店「ジュン・サカモト」(坂本淳シェフ)もエントラーダ部門で、「木下」(村上強志シェフ)も野菜料理部門で2位に輝く▼同特集号で特筆したいのは最終章の「ディスペンサ」(食糧庫)で、東洋街唯一の日系鮮魚店の三木宗三郎さんが堂々と写真付きで紹介されていたことだ。しかも「リベルダーデの小さな宝石たちの一つ」と称えている▼コムニダーデ向きの鮮魚店であり、ジャルジンスなどの日本食関係からすれば実に地味な存在だがしっかりと照明が当てられている。一般社会からのコムニダーデへの温かい気遣いを感じる▼そのうちアデスキやエスペランサ婦人会、聖母婦人会、県人会婦人部などの〃お袋の味〃もブラジル人グルメに〃発見〃されるかも?!(深)