ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
食生活の質の低下続く=野菜・果物減り加工品増加
ニッケイ新聞 2010年12月18日付け
地理統計院(IBGE)の16日付報告によると、ブラジル家庭では伝統的な食物の米やフェイジョンと、野菜、果物の消費減少が続き、糖分などを含む加工品消費が増えていると17日付伯字紙が報じた。
ブラジルの家庭料理の基本は米とフェイジョンとの考えは、加工品、半加工品の普及で大きく変わってきており、精白米の一人当たりの年間消費量は、1975年から2009年に31・6キロから12・6キロと60%減少。フェイジョンも14・7キロから7・4キロと49%減少した。
毎日の摂取カロリーの12%と9%を占めるべき野菜や果物も2・8%にしかならない。
一方、10%までで抑えるべき糖分からの熱量摂取は16・4%で、動植物性脂肪や炭酸飲料などに含む糖分も加えた高カロリー食品からの熱量摂取量は28%に上る。収入別で上位20%の人の場合、高カロリー食品からの熱量摂取は31・8%で、30%までという基準を超えている。
消費者が購入する砂糖の量は減っているが糖分摂取量は増えているというのは、炭酸飲料やビスケットその他の加工食品からの摂取が増えた事を意味しており、肥満や糖尿病患者の増加などにも直結する内容だ。
糖分以外に熱量摂取が増えているのは、フランスパン(13%)、ビスケット(10%)、チーズと炭酸飲料類(共に16%)、酒類(28%)、加工食品(40%)など。
熱量摂取が減ったのは米(6%)、フェイジョン(18%)、小麦粉(25%)、牛乳(10%)など。
飽和脂肪酸の摂取も許容量の限界に近く、糖分や塩分と共に注意が呼びかけられている。