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進む配達手法の改革=CD層の購買力向上で

ニッケイ新聞 2010年12月25日付け

 CDクラスの収入上昇に伴いインターネットを使った購買が盛んになり、住所が明確でないファベーラなどに配達するために地元民を雇う新しい形態の配達システムが始まっていると、24日付けフォーリャ紙などが報じている。
 リオ市北部のヴィラ・クルゼイロ区がまだ麻薬密売人に支配されていた5月、ダイレクト・エクスプレス配達会社はそこに新しい拠点を構えた。現在では一日当り500件の配達が行われるが、これは地元の民間NGO団体との提携なしにはあり得ないことだった。
 その配達人の多くは地元の元麻薬密売人。今では制服を着て、正式な住所もないような場所でも見分けて、自転車、徒歩、バイクなどを駆使して届ける。
 全伯500市に配達網を持つ同社は今年、1億3千億レアルを売り上げる予定で、昨年比にして60%増し。2年前、配達先の8割はコンドミニオ(閉鎖高級住宅街)や高級街区などの正式な郵便番号(CEP)のある地区で、残り2割が郊外の貧困地区だった。現在はその比率が6割、4割に変化している。
 CD層の購買力向上により、新しい配達システム確立の必要性は不可避となってきたようだ。