ニッケイ新聞 2010年12月25日付け
「教育界の交流の大事さ感じた」―。サンパウロ州政府の派遣で11月に富山県であった「サンパウロ州・富山友好州県提25周年式典」に出席、教育関係者らと交流を深めた州教育局の日野寛幸、マリア・カタランさんが来社、報告を行なった。
日野さんらは24日に訪日、高岡市内の小学校を視察、26日には今年7月にサンパウロを訪問した石井隆一知事を表敬訪問、「富山県芸術文化協会」「日伯交流友の会」とも交流した。
28日にあった記念シンポジウムでは、日野さんがブラジルの教育事情について講演、約70人が出席したという。
続いて行なわれた式典・祝賀会で石井知事は、「文化、教育では25年間力を入れてきた。これからは経済交流にも期待したい」などとあいさつしたという。
29日には三重県鈴鹿市に移動、日野さんと知己のある水井健次教育長の肝いりで、市教育関係者や校長らが集まる会で「かえるプロジェクト」の紹介も行ない、関心を呼んだようだ。
市内ブラジル人学校も訪問、マリアさんは、「子供たちが日本社会に溶け込んでいないようだったが、多くの日本人ボランティアがいることに驚いた」と話した。
なお、様々な場面で、「日本人父兄の教育への関心の高さを感じた」という。
芸術の教師でもあるマリアさんは、今回の訪問で富山県が実施する「世界の子供の芸術作品展」にブラジルが参加してないことを知り、2012年に向け準備を始めた。「サンバやカーニバルだけじゃないブラジルを子供たちが表現できる場になれば」と張り切る。
日野さんは、「この25年間、富山県がやってくれたことに比べ、サンパウロ州がしたことは余りに少ないことを認識した」と苦笑いしながらも、「県人会を通じて更なる交流を図る手助けをしたい」と話した。