フォーリャ紙やSBT、UOLなどが25日、サンパウロ州知事候補たちによる討論会を開催した。この討論会では治安問題に関し、パウロ・スカッフィ氏(民主社会党・PMDB)やアレッシャンドレ・パジーリャ氏(労働者党・PT)がジェラウド・アウキミン知事(民主社会党・PSDB)に激しく議論を持ちかける光景が見られた。26日付伯字紙が報じている。
SBT局が中継した討論会は、腸内感染で入院していたアウキミン知事も交えたものとなり、注目度が高かった。
討論会には7候補が集まったが、注目は、最新のダッタフォーリャの世論調査で55%の支持率を獲得したアウキミン氏に対し、2位(16%)のスカッフィ氏、3位(5%)のパジーリャ氏がどう挑むかということにあった。両者は共にアウキミン氏に対して批判的な口調で質問し、その中心材料として、サンパウロ州の治安問題を選んだ。
スカッフィ氏は、サンパウロ州ではこの3年間に4万件の強姦罪が記録されたことを取り上げ、「ボスニア戦争の際でさえ3万件に達しなかったのに、4万件とは」と批判した。さらにサンパウロ州で治安が問題となっているのは、アウキミン知事による指揮の弱さが原因だとした。
これに対しアウキミン氏は、「私が1995年にマリオ・コーヴァス氏の副知事として、現在あなたの選挙参謀であるフレウリ・フィーリョ氏が率いたPMDB政権の後を受け継いだとき、サンパウロ州警察ではガソリンや銃弾さえ不足していた」と反論。さらに「フレウリ知事時代の殺人被害者は10万人につき30人の割合だった。それが今や10万人につき10人で、3分の1に減っている」と反論した。
一方、パジーリャ氏は、自身が保健相のときに創設した連邦政府の対策を持ち出し「私は〃マイス・メジコス(もっと医者を)〃だったが、今のサンパウロ州はまるで〃マイス・ロウボス(もっと強盗)〃だ」とアウキミン氏を激しく批判した。
パジーリャ氏はさらに「サンパウロ州の殺人事件できちんと解明されたのは全体の5%しかない」と語り、さらにサンパウロ州の警官が市周辺部の黒人の少年たちを殺害しているとして批判を行なった。
これに対しアウキミン氏は、「それはデータが間違っている。サンパウロ州は黒人の被殺人率が全国で2番目に低い州だ」と反論した。
アウキミン氏は回答者を指名して質問するときには弱小候補を選ぶなどして直接的な対峙を避け、終始冷静に受け答えをした。抗議行動(マニフェスタソン)での仮面の使用を禁ずる州条例の裁可の遅れについての問いには、「抗議行動では素性を明らかにするべきだし、ブラック・ブロックのような破壊行動は許されない」とし、仮面使用を禁ずる条例を裁可する方針を明らかにした。
同知事にはサンパウロ市地下鉄の工事の遅れやサンパウロ州の水不足問題に関する疑問なども投げかけられたが、治安問題ほど大きな議題にはならなかった。
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