「晴天ならボクは生まれなかったかも」。陸軍南西方面軍参謀司令官の池田リュウゾウ少将は7月半ばに、サンパウロ市の広島文化センターを訪れ、3階にある原爆展示を見ながら、そう語ったという。
案内した広島県人会理事の平崎靖之さんによれば、少将の両親は福岡県出身の戦後移民。少将は「母は口癖のように『原爆は小倉に落とされる予定だったが、たまたま当日曇っていたので、広島に変更された。もし天気が良かったら、あんたは産まれていなかった』と言っていた」とのこと。
平崎さんがドキュメンタリー映画『Hiroshima』(BBC制作)を少将に貸すと、わざわざ広島と長崎の原爆投下の間、8月8日に同司令部の幹部全員に見せた。「みんなショックを受け、こんな悲劇は二度と繰り返してはいけないと語りあった」という。同センターの原爆展示は無料で、誰でも閲覧可能。8月だけに、興味のある方はどうぞ。(深)
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