ニッケイ新聞 2009年12月1日付け
イランのアハマディネジャド大統領は訪伯の帰途、ベネズエラやボリビアを歴訪、濃縮ウランの精製所をさらに10カ所建設と宣言したことを11月30日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
滞伯中はイスラエル非難やホロコースト否定などの発言を禁じられ、同大統領は自重していた。離伯後、米政府はイランが挑発を続けるなら、孤立化へ向けて包囲作戦を採ると警告した。
IAIE(国際原子力管理委員会)は、イランの聖都クオの近くに濃縮ウラン精製所を極秘裏に建設中であることを発見と発表。同大統領は近日、イランは20%の濃縮ウラン精製に踏み切ると発表したが、核兵器レベルの濃縮段階にあると米政府は見ている。
同大統領の南米訪問は、欧米の圧力に対するイラン政府の返答という見方がある。核問題は政治問題であって、国際社会の合意を要する問題ではないと、イランは理解しているというのだ。