ニッケイ新聞 2009年12月3日付け
ジウベルト・カサビサンパウロ市長は12月1日、IPTU(固定資産税)の調整率上限を商業の場合60%を45%に、住宅の場合40%を30%へ引き下げることで譲歩し、市議会が承認と2日付けフォーリャ紙が報じた。市評価7万レアル以下の商業物件や同9万2500レアル以下の一般家屋に対しては、IPTUを免除。改定IPTUによる税収増は、当初案より1億レアル少ない6億4400万レアルに留まると見られる。市の不動産評価額は、クラコランジアのように20%下落した所もある。
サンパウロ市のIPTU調整条例は、賛成39票対反対15票で可決。商店のIPTU免除は、対象評価額を従来の3万7000レアルから7万レアル以下に引き上げた。それでも税収が上がる内容だ。
この措置で小さな商店で評価額が7万レアル以下の2万物件と評価額9万2500レアル以下の住宅が、IPTUを免除されることになった。
来年IPTUから解放される人は、新規免税者を含め、100万人と見られる。反対に増税となるのは、市評価額が76万レアル以上クラスのショッピング・センターや豪華な物件などで税率1・8%から2%へ調整される。
IPTUの計算法は、市評価額に税率を掛けたものを100で割る。市評価額は、敷地(ブラジルでは建物を土地の付属物と見なす)掛ける平方米当たりの価格(相場の約70%)とされる。
例えば、18万レアルのアパートの場合、税率は1・2%で2160レアルとなるが、465レアルが控除されるため、1695レアルがIPTU額となる。
ただし、市評価額が急に上がり、新IPTUが現在のIPTUを30%以上上回る場合は、現在のIPTUの30%増までを払えばよい。
例えば、ブラス区バロン・デ・ラダーリオ街の土地200平方米の物件はこれまでのIPTUが米当たり301レアルであった。それが新評価額では1375レアルと上がるべきところを、住宅ならば上限30%調整で391レアル、商店ならば45%調整で436レアルにおさえるという。
ただし、今回のIPTU調整に上限枠が適用された物件については、毎年調整となるため、現在1千レアル払っている人は、2010年に1300レアル、2011年に1690レアルを支払うことになる。
次回の評価額見直しは2013年の予定で、それ以後のIPTUの調整は、2年毎に行われることになった。