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平均寿命にも地域と性差=ブラジル内で16歳も異なる=余命延びたが格差も拡大

ニッケイ新聞 2009年12月4日付け

 ブラジル地理統計院(IBGE)が2008年の平均寿命は72・8歳と発表した事は2日付本紙でも報じたが、同日付伯字紙は平均寿命に地域や性差ありと報じた。
 例えば、サンタカタリーナ州で08年生まれの男児は平均72・3歳まで生きるが、アラゴアス州(AL)生まれの男児は63・2歳まで。
 また、平均寿命が最も長い連邦直轄区(DF)の08年生まれの女児は平均79・3歳まで生き、AL男児の63・2歳とでは、16年もの差が生じる事になる。
 平均寿命の延びについてIBGEは、保健衛生関連サービス改善と住民の利用度向上、予防接種普及、医学の進歩と予防活動などをあげるが、地域格差には気候風土や労働条件、犯罪発生度なども影響するようだ。
 一方、医療の進歩や医療機関の拡大・充実と共に、平均寿命の延びにも関連するのが、1歳以下で死ぬ乳児が誕生者1千人当たり何人かを示す乳児死亡率などの数字だ。
 ここでも地域差は大きく、同率最高のALは男児58、女児37・9で、最低の南大河州の男児13・8、女児12・3をはるかに上回る。
 08年の全国平均の乳児死亡率は23・3で、1998年の33・2から10人減少。これは年間20万人の乳児が死を免れた事を意味するが、世界最低のアイスランドの2・9や、ラ米最低のキューバの5・1に比べると相当高い。
 また、2035年には、65歳以上の人の数と14歳以下の子供の数が各々、人口比15%となり、それ以後は高齢者の割合が増えるとの報道は、少子化と高齢化が進んでいる事の結果。08年IGBE発表の、2038年からの人口減少説が現実味を帯びてくる。
 平均寿命が62・6歳だった1980年の子供の人口比は38%で、今年は26%、2050年には13%になる一方、65歳以上の人は、80年の4%が、今年は6・6%、50年には22・7%になる見込みだ。
 なお、ブラジルの平均寿命は、世界最短のアフガニスタン43・8歳や、ラ米のハイチ61・2歳、ボリビア65・5歳、パラグアイ71・7歳以上だが、日本の82・6歳やキューバの78・6歳にはまだまだ及ばない。