ニッケイ新聞 2009年12月8日付け
歴史に〃もし〃はないというが、〃もし〃と言いたくなる攻防戦が続いた今年のサッカー、ブラジル選手権は、創立114年の名門、フラメンゴの、最下位からの逆転優勝で終わった。
7日付伯字紙によれば、クーカ監督の下で選手権開幕を迎えたフラメンゴは、アドリアノ復帰発表直後の5月10日に最下位出発。前半は6位が最高で、7月22日には監督解任劇も起きた。
後任のアンドラーデ監督は7月26日から采配を振るう事になったが、10月10日までは6位以下を行き来し、優勝の可能性は1%だった。
そのフラメンゴが優勝争いに絡み始めたのは10月18日の5位浮上以後で、一度は6位に落ちたものの、終盤の6戦は5勝1分けの快進撃。ゴイアスに敗れたサンパウロの4位転落などで11月29日に1位に浮上したまま、本拠地勝利で優勝をもぎ取った。
最終節の対グレミオ戦は8万5千人のファンを迎えての試合だったが、最初の得点は、前半21分のグレミオのロベルソン。その直後、2位のインテルナシオナル(以下、インテル)得点の知らせも入った時には、マラカナン競技場のファン達も一瞬、声を失った。
8分後にデイヴィッヂがこぼれ玉を決め、同点としたが、引き分けの場合、インテルが勝てば2位転落という状況下、選手もファンも手に汗握る状況は変わらない。
均衡を崩したのは、後半24分のロナウド・アンジェリン。コーナーキックに頭をあわせ、2対1に持ち込んだ。
自分達が勝てばライバルのインテルに優勝提供というグレミオは、正選手参戦は3人のみという展開だったが、最後まで善戦。フラメンゴファンに息をつかせないまま、試合終了となった。
今回のフラメンゴ優勝は、ブラジルサッカー連盟的には伯選手権5回目だが、1987年に同連盟との仲たがいで生じたブラジル全国リーグ優勝を含め、17年ぶり6回目、リオ勢としても9年ぶり。インテルとサンパウロは最終節勝利で2位と3位になったが、3位だったパルメイラスは、ボタフォゴに敗れ5位転落。リベルタドーレス杯出場権も4位浮上のクルゼイロに奪われた。