ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | メルコスル首脳会議=ベネズエラが加盟見込み=チャベス節で席巻=米コ軍事協定に警鐘鳴らす=ホ国新政権は親米同盟へ

メルコスル首脳会議=ベネズエラが加盟見込み=チャベス節で席巻=米コ軍事協定に警鐘鳴らす=ホ国新政権は親米同盟へ

ニッケイ新聞 2009年12月10日付け

 ルーラ大統領は8日、上院外交委員会が6週間にわたった説得工作の末、9日にベネズエラのメルコスル加盟を認め、本会議審議に回す予定だと第38回メルコスル首脳会議で発表と9日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。ベネズエラのチャベス大統領は、紆余曲折のあった同国のメルコスル加盟が具体化しつつあることで満足の意を表し、パラグアイ議会の承認も期待すると述べた。またメルコスルは、ホンジュラスの選挙結果を否認する意向を決めた。

 ベネズエラのメルコスル加盟の可能性が大きくなったが、チャベス大統領には、メルコスルの強化や抱負はないようだ。ルーラ大統領は、南米諸国連合の見解を二分している、ホンジュラスの大統領選挙と米コロンビア軍事協定を議題にした。
 上院には、サルネイ上院議長を中心とするアマゾン連合の反ベネズエラ派が存在する。当のチャベス大統領はメルコスル加盟否認の場合、客分として投票権を持たないメルコスルの有力な協力者を自ら任じている。
 同首脳会議は、ホンジュラスの大統領選挙の結果を否認する声明を発表すると同時に、クーデターを認めた新政権に対し、OAS(米州機構)が何らかの経済的制裁を加えるように求めた。
 ホンジュラスのローボ新大統領はコロンビアのウリベ大統領とペルーのガルシア大統領が、南米の左翼路線に対抗する親米同盟を築くため仕立てたものだと、チャベス大統領が糾弾した。
 米コロンビア軍事協定では、チャベス大統領が熱弁を振るった。「米コロンビア軍事協定は、米軍が南米諸国へ向けて大砲を据えるための計画だ」と出席者に警告。南米諸国は、米政府の想像を絶する軍事力とスパイ活動のもとに、一挙手一投足が監視されていると注意を喚起した。
 「米戦闘機はコロンビア基地から給油することなく、南米の南端まで往復できる。それに対抗できる軍事技術を、南米のいかなる国も持っていない。ベネズエラは、米コロンビア軍事協定の秘密と欺瞞をあばき続ける」というのだ。
 「南米諸国は、しがない無力な兄弟国。お互いに助け合って、傍若無人な巨人と戦うしかない。コロンビアの7基地は、国際メジャーの資本力でラテン・アメリカを掌中に取り込む米戦略構想による無言の威圧だ」と同大統領は見ている。