ニッケイ新聞 2009年12月10日付け
Fiesp(サンパウロ州工業連盟)は8日、2010年のGDP(国内総生産)成長率が6・2%増と、政府の予測を上回る楽観的予測を発表と9日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
W杯サッカーや五輪特需を迎えるため、2010年のブラジル建設業界には大量の資金が投下される。同連盟のパウロ・スカッフ会長によれば、2008年の金融危機の失地回復が可能であると見ている。
金融危機で多大な被害を受け、立ち上がれないのは輸出だけ。輸出先国の経済がまだ立ち直れず、輸入どころではない程深刻だからだ。
しかし、国内は生産体制が整い、輸出体制も万端なため、2010年の原料や半製品の輸入総額は、輸出総額を遥かに上回ると予想される。
2010年の工業製品輸出は、1764億ドルに達する見込みだ。同年の工業生産は2009年の7%減を取り返し、12%増の見込み。「ブラジルは最早、未来の国ではない。現在の国だ」と同会長が楽観的発言。
ブラジルの未来を長期的視野で見るなら、岩塩層下油田を始め、庶民の所得向上、豊富なローンなど良いことばかり。2010年の雇用水準は、危機以前の水準へ完全復帰する見込みだ。